プロフェッショナル・オーディオテクノロジーとオーディオビジュアル・照明・メディア(AVLM)ソリューションの世界的なプロバイダーであるd&b audiotechnikが本日、d&bシステムを採用した屋外における騒音を精確にシミュレーションするツールの最新バージョン、NoizCalc 4.0ソフトウェアを発表。
バージョン4.0では、簡明で直感的なユーザー体験を実現する新しいグラフィカルユーザーインターフェイスや最適化されたワークフローなど、前バージョンからの機能強化が数多く施されています。そうした改善事項には、ArrayCalcおよびR1リモートコントロールソフトウェアとのより一層の類似性と連携が挙げられます。そのためこれらソフトウェアの既存ユーザーは、改めて多くを学習する必要なしに、使い慣れた環境で操作をはじめることができます。
NoizCalcにより、イベント前に積極的な騒音管理を行うことが可能になります。d&b ArrayCalcのプロジェクトファイルのシステムデータと併せて、GoogleマップおよびOpenStreetMapの地形データを使用するこのソフトウェアは、周辺地域で騒音問題が発生する可能性を精確に予測する騒音グリッド図を算出し、表示します。NoizCalcを利用すると、ユーザーは設計段階で潜在的な騒音問題を特定できます。そこでメリットとなるのは、制作の段取り前にこれらの問題に積極的に対処できることです。
「騒音とは本質的に望ましくない音であり、その影響はイベントの成功、さらには長期的な実行可能性に極めて大きな害を及ぼす可能性があります」と、d&bの環境音響部門でNoizCalcプロダクトマネージャーを務めるダニエル・ベルヒャー。「ステージの向きを少し変えるだけで問題を回避できるかもしれませんが、こうした認識はステージの構築前にしか役に立ちません。あるいは、オーディエンスエリアのカバレージに悪影響を与えないように、ラウドスピーカーシステムの設計を調整することが可能かもしれません。計画しているイベントの規模が特定のロケーションにとっては大きすぎたり、それに伴うサウンドシステムの要件が高すぎたりすることもあります。いずれにせよ、NoizCalcからは、潜在的な問題が現実の、そしておそらく非常にコストが高くつく問題になる前に必要な措置を講じるために必要な情報を得ることができます」
ベルヒャーはさらに次のように続けます。「NoizCalcがなければ、再び経験と専門知識に頼ることになります。また、よくあることですが、最も経験豊富なエンジニアでさえ騒音に関する苦情に驚かされることがあります。そして、苦情が生じたときにはもう手遅れです。イベントはすでに進行中で、騒音がすでに問題となっているからです」
環境騒音予測を専門とするソフトウェア開発会社であるSoundPLANと協力して開発されたNoizCalc 4.0は、システム設定をd&b ArrayCalcから直接インポートします。このソフトウェアは、ユーザーの要件に応じて、算定のための国際基準の選択肢を提示します(CNOSSOS-EU、ISO 9613-2、Nord2000)。
NoizCalcでは、ラインアレイ、ポイントソース、サブウーファーアレイ、フィル、ディレイシステムなど、多くのタイプのラウドスピーカーで構成される複雑なシステムをモデル化できます。システム設計者は、希望の結果を達成するために、システムの各構成要素の配置と電力供給の方法の調整をシミュレートすることもできます。
「私たちは、NoizCalc 4.0を市場に投入し、屋外イベントでの騒音予測の可能性の限界を越えることができてうれしく思っています」とソフトウェア担当製品マネージャーのフロリアン・ハーンはコメントします。「このツールで利用できる高度なテクノロジーにより、お客様は、通常は計画段階では検出されず、実際にイベントがスタートしてから発生することのある会場外騒音問題の潜在性を非常に精確に評価できるようになります。NoizCalc 4.0もまた、イベントの計画段階に携わるすべての関係者に最高レベルの透明性と信頼性をもたらし、卓越した体験の創造を可能にするというd&bの理念において重要な役割を果たします」