4月18日はd&bにとって特別な日です。40年前の4月18日、ドイツ・シュツットガルトの郊外にある小さな村でプロオーディオの新しい歴史がスタートしました。2人の若者、ユルゲン・ダウベルトとロルフ・ベルツがd&b audiotechnikを創設したのです。
サウンドには普通の空間を特別なものに変える力があると信じつづけたダウベルトとベルツ。彼らの信念は、40年後の今でもd&bの活動全てを支える哲学として生き続けています。
d&bには、40年の歴史を裏付ける2つの信念があります。そしてこの信念こそが、音は単なる音量ではなく、芸術のように共有され、求められ、経験されるものである、と信じるオーディオ愛好家達を支え、団結させてきました。
第一の信念は、どの座席に座っていても観客は同じ完璧な音質を体験すべきだという信念。この公平さへのこだわりは、d&bの使命にもなり、単にDemocracy for Listeners(聴衆のための民主主義)と呼ばれるようになりました。こんな信念があるからこそ、私たちは語ることよりも耳を傾けることを重視し、市場におけるチャレンジや革新的な技術に自ら足並みを合わせ、独自のイノベーションやアイデアでお客様の期待に応え、市場をリードしていくことができるのだと思います。d&bにとってこの40年は、世界中のアーティスト、サウンドデザイナー、クリエイターのクリエイティブなビジョンに息吹を吹き込み、彼らの情熱を素晴らしいサウンドとしてオーディエンスに正確に伝えることに努めてきた40年でもあります。
第二の信念は、スピーカーとエレクトロニクスはシステムとして構築されるべきである、つまり完全に一体化されたシステムとして機能するべきであるという信念。これは排他的である一方、効率性、一貫性、使いやすさを徹底的に追及した、技術的に最も合理的な手法でもあります。これにより、d&bが他と一線を画す完全に統合されたワークフローが生まれ、d&bのシステムリアリティとして知られる包括的でバランスのとれた完璧なシステムを完成させることができたのです。
このコンセプトは、お客様にお届けしているd&bのオーディオ技術としてだけではなく、グローバルコミュニティにも当てはまる概念であると思います。d&bが、革新的なオーディオ技術と様々な課題へのソリューションを提供する世界的な大企業になれたのは、40年前から今日に至るまで、d&bを支え一丸となって活動を続けてきてくれた人々のエネルギーのおかげです。
今日は、創業者の功績を称えるだけでなく、d&bを今日のプロオーディオのリーダーに育て上げるために惜しみなく努力を積んできた人々に感謝する日でもあります。過去と現在のスタッフ、パートナー、お客様、そして世界中のファンの皆様。皆様の情熱、忠誠心、そして努力が、d&bの品質、そしてその理想像を今日に至るものにしてくれたのです。
この40年間、技術的にも社会的にも大きな変化がありました。そして、これからも変化は常にチャレンジとして提示され続けることでしょう。しかし、変化は恐れるものではありません。変化を進化と成長のための駆動力として捉えるd&bでは、創業時の信念に基づいて意思決定を行い、私たちの信念、強さ、情熱を結集することで、これからもビジネスとしての成功を続行していくだけではなく、人々に刺激を与え続けることができると確信しています。今週は、過去40年間の歴史を振り返り、思い出話に耽りたいと思います。しかし、大切なのはこれからの40年に何ができるかです。
今日は直接お会いしてお祝いしたかったです。しかし、d&bのグローバルなコミュニティが再び集まり、進化し続けるオーディオソリューション、そして「More Art. Less noise」を一緒に世界中にお届けできる日がもうすぐ来るであろうと思っています。
敬具 アムノン・ハーマン