UPPERROOM教会、d&b Soundscapeを活用し、イマーシブな礼拝体験を新たな高みへと引き上げる
ダラスを本拠地とするUPPERROOM教会は、世界的に活動を展開するダイナミックな教会です。この教会は新たにオープンした施設で、イマーシブな礼拝体験に新たな視点をもたらしています。UPPERROOM教会は最近、En-SceneおよびEn-Spaceソフトウェアモジュールを搭載したd&b audiotechnikのSoundscape音響強化システムとラウドスピーカーシステムを導入しました。
Epic Resource Groupにより設計・設置されたこのオーディオシステムは、劇的に教会の音響空間を変化させました。教会はかつて工業用に使用されていたスペースを再利用したもので、革新的かつサステナブルなソリューションを提供することで知られる建築会社Overland Partnersによって設計されました。Overlandは美しく印象的なデザインを実現したものの、その空間には、グラスウォールのある非対称な形状の部屋、頭上に設けられた円状の「光輪」、音響的に不向きな環境、スピーカーの音の伝播を妨げる構造柱など、克服することが必要な音響問題が数多くありました。
1週間に72時間の宣教活動を行っているUPPERROOM教会では、より親密で魅力的な礼拝環境を実現し、参加者の礼拝体験をよりよいものにしたいと考えていました。しかし、教会の目標は対面での宣教活動に留まりませんでした。UPPERROOM教会は1日最大1万人が視聴するYouTubeコンテンツの制作者でもあり、オンラインによる宣教活動の質も高めたいという強い希望を持っていました。
対面による宣教とオンラインによる宣教でのニーズを満たすソリューションを模索する中で、d&b audiotechnik SoundscapeソリューションならUPPERROOM教会の要望を満たすだけでなく、さらにそれを凌駕する性能があることが明かになりました。Epic Resource Groupの創設者、ブランドン・チノウェス氏は、「完全なd&bソリューションを採用したことで、私たちはこの空間で素晴らしいことを実現できました。」と述べています。d&b audiotechnikのデザインツールを組み合わせることで相乗効果が得られ、作業計画の策定に役立ちました。
設置の要となったのはSoundscapeでした。これにより、音響上の最大の課題であった12本の支柱の問題を解決することができました。「私が検討したステレオ反復処理ではいずれも、少なくとも1つのスピーカーの約3フィート前には常に支柱がありましたが、SoundscapeのEn-sceneモジュールが唯一それを解決してくれました。」とEpic Resource Groupのシニアオーディオシステムデザイナーのマット・ウィーラー氏は言います。「Soundscapeのオブジェクト指向のミキシングが素晴らしいのは、1台のラウドスピーカーですべての仕事をこなす必要がない点です。En-Sceneは、部屋の支持梁による音の遮断を最小限に抑え、部屋全体を適切にカバーします。そのため、柱による音の遮断は感じられず、音があたかも柱を通り抜けているかのようでした。」
En-Sceneでこの部屋の音響上の問題を解決したことにより、En-Spaceのルームエミュレーションでさらなる可能性が開かれることになりました。UPPERROOM教会のグローバルオーディオディレクター、ブランドン・メイヤー氏は次のように述べています。「En-Spaceはすべての音を最高のものにするための鍵です。この部屋のリバーブタイムはなにも手を加えなければ0.5秒未満ですが、Basilicaのエミュレーションを使用すると、リバーブテイルが最大6秒間の音響空間を作り出すことができます。」
d&b Soundscapeの設置は、UPPERROOM教会に大きな影響を及ぼしました。より深くつながった感覚を得られ、礼拝に深く入り込むことができると、参加者は報告しています。祈りや礼拝を担当するジョナサン・ルイス牧師は「まるで、祈りの中心にいて、一体化しているような感覚です。」と語ります。またルイス牧師は、システムによる音の明瞭さ、立体感、ステージボリュームの抑制により、UPPERROOM教会のライブレコーディングとオンライン配信の質が向上しているとも述べました。「私たちは単に新しいサウンドシステムを手に入れただけではなく、 嬉しいことに『レコーディングスタジオ』も同時に手に入れたのです。」
UPPERROOM教会の新しい施設が提供するイマーシブな礼拝により、参加者も増加しています。「この場所をオープンして以来、本当に特別なことが起こっています。」とメイヤー氏は言います。「参加者は音響がどのような仕組みになっているのか分からないかもしれませんが、とにかく気に入ってもらえています。日曜の礼拝は定員に達し、以前の場所と比較すると、参加者数はほぼ2倍になりました。そこで礼拝に参加したい人を全員収容できるよう、日曜の礼拝を1つ増やしました。」
システム設定について
Soundscape 360システムは、教会に設置された117台のd&bラウドスピーカーと組み合わされたDS-100 Signal Engineを備えています。正面180度の範囲には5つのコンパクトなT-Seriesラインアレイが使用され、それぞれのアレイは6台のT10エンクロージャーで構成されています。Tシリーズアレイの間には12台のV-SUBサブウーファーがフライングされており、これに低音域をサポートするグランドスタックの21S-SUBサブウーファー9台を組み合わせています。フロントフィルには13台のxS-Series 44Sエンクロージャーを使用。一方、6台のA-Series拡張アレイボックスが内部サラウンドリングを、E-SeriesのE12ポイントソーススピーカー19台が外部サラウンドリングを構成しています。そして、5台のY-Series YiP10ポイントソースラウドスピーカーがエクステンションを、5台のT-Series T10Pエンクロージャーが追加の座席へとつながる楕円形の傾斜路のディレイを担当しています。