Clitheroeに真のGrandが建設される
イングランド北西部、特にランカシャー地方の人々は独創的で非常に想像力に富んでいるように見受けられます。この地方にある小型の映画館は典型的な田舎のひなびたもので過去40年ビンゴゲームが他の新しい現代的ギャンブルに押されていったかのようにその時を止めていました。しかし、そこにできたClitheroeという小型ながら昔の建築を継承した12000席の映画館ができたことによって地元のビジネスマンの手により地域全体を巻き込む音楽プロジェクトへと変貌させました。これには町の産業が停滞しているため特に若者のフォーカスし、活性化を図ろうという静かなる野望が秘められています。新しく建設されたClitheroeのThe Grandも同じように若者にフォーカスしていますが、ここはそれだけではなく単に若者に向けたエンターテインメントを提供するだけではなく、それ以上に満足させることを目標にしたより大きな野望を持ったプロジェクトです。 John Lancaster氏は成功を収めたビジネスマンです。彼は地域の多くの人々が約110km離れたマンチェスターまでライブ音楽を聴くために往復していることを日々痛感していたため、このニーズに対応できる施設の必要性を考えました。また町の中心からの距離を考えた時に単なる劇場だという以上の施設にする必要性も実感していました。「田舎町であるために周辺環境も含めた基盤全体が音楽に関連するように作る必要がありました。そして地元のタレントの支援と後押しも必要でした。」そして彼はそれらを実現しました。The Grand は音響、照明、映像に必要な技術を取り入れたライブコンサート用会場としてだけではなく、2つのライブルームスタジオとライブ、ミックス、メディア部門を含む音響映像部署が見事に融合されています。Lancaster氏は、さらに視野を見据えていました。これは彼がビジネスの世界で成功を得た主な要因であるといえるでしょう。彼はまた信念に基づく人間でもあります。それはクリスチャンの信念にも通じるもので、彼はそれをさらに強調しています。「この施設は、地域住民によって創設され、サポートされる正に地域住民のための施設なのです。」 このことからいかに地域住民と密接な関係にあるかがわかります。Lancaster氏はWigwam Acoustics社に音響、照明、映像のコンサルテーションと供給を依頼し、コンサートホールにはd&b audiotechnikのQ1とQ-SUBにE3をアンダーバルコニーディレイ用とフロントフィル用に組み合わせたメインPAという広範囲に渡る設備が納入されています。「我々が納入させていただいたQ-Seriesはパワー、ヘッドルーム、素直な音質によってあらゆるパフォーマンスを均一に再生します。」と語るのはWigwam社のプロジェクトマネージャーPhil Goldworthy氏。「さらにヘビーな音が必要な時には超重低域用にB2サブウーファーも用意されています。これを使用する場合は、単純に超重低域を足すという使用は難しいと思います。B2から極めて低い周波数を出す時には気をつけないとコントラバスやキックドラムのような豊かな音が強調され過ぎててしまいます。」Clitheroeではあらゆるジャンルの音楽が演奏されることが想定されるため、Wigwam社はDigidesignのProfileコンソールと共にd&bのM4とShureのUHF-Rワイアレスマイクなどの広範囲なモニターシステムも納入しました。「スタジオにはSSL900+コンソールを用意してあります」とGoldworthy氏。「さらにDigidesignの Pro Tools HD3とDigiスイッチが用意されているため。ハウスサンドエンジニアのSimon Stride氏は、Profileやスタジオの出力をPro Toolsに入力することができます。」 Lancaster氏はThe Grandのオペレーション管理業務をOasis UK社に委託しました。Oasis社はクリスチャンの価値観を対立するような方法ではないやり方で広めることを目的としています。「この施設は内部にも外部にも非常に良く機能しています。」と語るのはWigwam社のディレクターMick Spratt氏。「地域の学校に出向き若者の音楽やダンス、制作現場のことを教えたり、施設を使って実際のレコーディングやライブコンサートの制作現場を見せたりどのように機材を使用するかなどをデモンストレーションしたりしています。」