鎌倉芸術館、大ホールリニューアルにd&bを採用
神奈川県鎌倉市に、本格的コンサートホールを備えた鎌倉芸術館がオープンしたのは1993年のこと。以来24年もの年月が経過し老朽化したことを受け、昨年1月から9月に掛けて全面的な改修が行われ、10月1日にリニューアルオープンされました。この大規模リニューアルに当たり、施設の中核をなす大ホールの音響設備改修にd&bのオーディオシステムが全面的に採用されています。
リニューアルオープン以来、記念の催し等で盛況を極める当館を年明けに訪問し、ホールの音響管理をされている舞台管理責任者の株式会社共立・山口様にお話を伺いました。
まず、フロントサイドのメインに使用されたスピーカーがY-Seriesのラインアレイ(Yi8 ×6台とYi12×2台)と、ポイントソースのYi10P×1台の組み合わせです。このうち、ラインアレイが1階席の大半と2階3階席をカバーしている一方、その下のYi10Pが1台が、よりステージに近いエリアの座席をカバーしています。これらには型番の「i」が示す通り、固定設備用仕様が採用され、サイドの取っ手部分が省略されているなど、目立たない仕様になっています。
一方、サブウーファーが、ラインアレイに組み込まれていない事にお気づきでしょうか。実はプロセニアムの中にYi-SUB 2台が収められています。プロセ内には、改修前はメインスピーカーが収納されていました。当初の想定ではサブウーファーもラインアレイに組み込まれる予定でしたが、壁面の耐荷重を考慮した結果、難しいという事になり、改修後に空きスペースとなったこのプロセ内の空間に、サブウーファーが設置することなったとの事です。
プロセニアムの天井中央部にある格納スペースには、Yi10 とYi-SUBが各1台設置され、客席の中央エリアをカバーしています。
また、バンド演奏等の催し用のステージモニターとして、MAX2が4台、舞台脇のスペースに保管されています。
今回、指向特性に優れるE12(水平×垂直=80°×50°)を採用した結果、格段に明瞭度が向上し、「改修後は、とても聞きやすくなったと非常に好評です」との話が聞けました。
その他にも改修後の音響改善には大きな反響があり、コンサート、バレエ発表会、落語、講演会などの音響オペレーターの皆様からは「会場のどの位置でも、聞きやすくなった」「音が格段に良くなった」「パワーを入れても音がナチュラルで聴き疲れしない」などの声が多く聞かれるとのことです。また、機材を持ち込む予定だった団体からも、テストで音を聞いて、そのまま使いたいというご要望が頻繁にあります、との話も聞かれました。