英国国立博物館でd&bの音響機器が活躍
英国ブラッドフォード市の国立写真フィルムテレビ博物館(NMPFT)は1983年の開館以来、その展示上のユニークさからも国際的に名高く、年間平均80万人を超える入場者数を維持し、ロンドン以外に位置するにしては人気の博物館になっています。国立科学産業博物館の系列でもある同博物館はその名からも、3つのメディアを中心に、映画祭や特別展示会などのスペシャルイベントが数多く開催され、双方向的な展示の集大成となっています。かつて、英国ではここにしかなかったIMAX映画館と世界で唯一一般公開されているシネラマ映画館もあります。デイリーヘラルド集や国際的にも重要なロイヤル写真協会集など、2つの例を挙げただけでも、たくさんのユニークな映像コレクションがこの博物館で管理されています。 同博物館はデジタル化時代に対応してそれを十二分に活用し、変化する観客の期待に答えるためイメージングフロンティアと呼ばれる壮大な企画を打ち出し、1996年博物館の拡張,改装に着手しました。 Arts and Heritage Lotteries、EC、民間事業の協賛で1,600万ポンド(約37億円)の改築プロジェクトが足掛け3年にも及んで行われました。1999年春には俳優Pierce Brosnanが新しくさらに大きくなったミュージアムをオープンさせました。もともとはブラッドフォード市議会が劇場として建設したのですが、当初の目的で使用されることはなく、この5階建て相当の建物の正面はガラス張りになっていて、ブラッドフォードの中心を威圧する感じでした。「建物の改築期間中に正面の全壁は数フィート(1.6m程度)前方に延長され、印象深い中庭風のエントランスホールへと変貌しました。その空間は展示会、企業イベント、その他、公私問わず多目的会場として使われています。」とテレビ部学芸員主任、John Trenouth氏は述べます。「そこで新たに音響問題が発生しました。 重圧感のあるガラス張りの壁、ガラスと硬い素材半々で覆われた屋根、内装の砂岩壁、そしてイタリア産大理石の床で囲まれた5階建て程ある高さの空間は音響的に悲惨な状態でした。」 ホールとして機能するには音響設備を整えることが肝心です。博物館が主催するイベントには、さまざまな有名芸能人がオープニングや、インタビュー、セミナーの顔ぶれとしてゲストで登場します。Greg Dyke、Jenny Agutter、Jean Simmonsら全員イベントに参加し、 PA設備を使っています。「いうまでもなく、この人たちは最高レベルのサウンド再生に慣れている方々で、博物館側も最高のものを望んでいました。何とかこの音響問題を解決したかったのです。 ホールは素晴らしい建物でしたが、音質に関して言えば、メディアとコミュニケーションが目玉の国立博物館としては全く許容範囲外でした。」とTrenouth氏は言います。彼の劇場に関する知識、経験からd&b audiotechnikのPAシステムなら最高のサウンドが得られると確信し、「これしかない」とTrenouth氏は決心しました。博物館の技術チームはd&bのE3とE-PACアンプを用いてPAシステムの設計施行を行いました。設備は以前から永年博物館の仕事を請け負っていたブラッドフォード市拠点の会社Pro Audio Systems社から供給されました。「結果は上出来」と喜びを隠せないTrenouth氏は言います。「エントランスホールはただすごいだけではなく、PAシステムと一体化しているのです。」 シネラマ形式の映画を上演できる博物館のPictureville映画館は特別イベントや発表会にも使用されます。 Pictureville映画館は映画に適したサウンドシステムが得られるとともに、スピーチ用の別PAシステムが期待どおりの働きをしてくれるのです。」と、 Trenouth氏は述べました。「だから、資金の調達がされるとすぐに、音響設備の改良工事に取り掛かりました。ここでもまた、 d&bのE3とE-PACを使って設計施工しました。その結果に我々は大満足しています。」 3月に第12回ブラッドフォード フイルム フェスティバルを博物館が主催しました。同フェスティバルには映画に出演の有名俳優、監督が多数参加し、 Eric Sykes、Ken Loach、 Malcolm McDowellといった顔ぶれがフェスティバルの中継でインタビューされていました。