A Parable from the Pennines
イギリスのWest Yorkshireの 高速道路M62の沿道の町々はしばしば「都市の衰退」、「喪失」、「社会的機能不全」の代名詞として使われています。しかしLeedsやBradford、Halifaxといった町は北部の開発計画によって作られた町で大英帝国の産業の中心となったと言っても過言ではないと思います。そのためこの地に過去100年以上の歴史の中で建設された教会の中で最も大きなクリスチャン教会Huddersfieldがあると言っても驚くべきことではありません。 Huddersfieldクリスチャン団体の牧師であるColin Cooper氏は皆さんが疑問に思うことを先に説明してくれます。「教会への参加者の平均が減少している昨今ですが我々は2500席の教会を新しく建設したことは異例のことと思っています。何故我々は既存の建物を流用するのではなく新しく建設したかの理由ですか?」という他の教会関係者には明白なことですが我々にはわからないと思います。「我々は全てにおいて最高であるための努力を惜しみません。」と説明するのは教会の年長者の一人であるStuart Gladstone氏。「過去20年間の間に小さなミーティングホールからスタートし、今日2200人を収容する新しい目的のビルの建設に至ることが出来ました。」新しい建物は教会の持つ威厳のようなオーラを放ちながら、明るく、そして逞しく向上心を刺激するような空間になっています。教会のポリシーに基づいて現代の技術からそれに見合う性能を手に入れるために技術的な部分の権限はWigwam Acoustics社に音響部分の施工を依頼しました。 ボランティアで参加している技術者で音楽技術の学士でもあるDavid Orridge氏が設備の背景にある考えを簡単に説明してくれます。「Huddersfieldは、非常に強い音楽へのしきたりと音楽を中心とした礼拝となっています。それらをPA、照明、映像を駆使して最良な状態で提供する必要があります。」施工を行ったCathedral House社とWigwam社のTim Mortimer氏とPhil Goldsworthy氏が選んだのはQ-Seriesシステムです。「現時点で必要なスペックより若干上回っています。」とGladstone氏。「将来的な増大を視野に入れています。2008年の9月に行われた集会より使用を開始しましたが既に現在では100名も参加者が増えてきています。」 メインとなる客席には900席が用意され、さらに多い時では1500人程がスタンディングで収容できます。この音響設計を担当したのはRK Sound Engineering社のJohn Raper氏。「ここは比較的残響が短いです。」とOrridge氏。「John氏が施した処理は、バルコニー前部とステージ後方部に吸音を施し、更に上部にあるガラスの手すり角度をつけ反射方向を吸音部である天井変えると言う内容でしたがこれらは完璧だったと思います。そのため客席が無い2階部分も含めてPAは全体をカバーすることだけを考えればよく、集会への反射は問題ないレベルでした。」システムはQ1とQ10アレイの上にQ-SUBを構成し、ステージの先端部にはE3ラウドスピーカーをフロントフィルに、そしてバルコニーの下にはディレイ用にE0ラウドスピーカーを設置しています。それらは2台のDegidesignのMixラックとプロファイルコントロールサーフェイスという非常にハイスペックな組み合わせで制御しています。しかしOrridge氏は言います。「教会の方々へのトレーニングも簡単に行え、実際に操作をしたことが無い人でも即座に使用することができます」 この施設が未来を見据えたものということに疑いの余地はありません。会場全体の音響はWigwam社によって将来的に施設内の他の場所との使用を視野にいれてネットワーク化されています。牧師であるColin氏とSue Cooper氏は教会の未来の発展に自信を持っています。「アフリカ、フランス、ポーランド、ルーマニア、中国、ノルウェイそしてアメリカといったような国々から集会に参加する方が増えてきているので20ステーションの同時通訳システムも用意してあり、実際に何回か既に使用しています。このHuddersfield教会を訪れて頂ければ、自信や活力、そして己を信じる力がみなぎると思っています。」