Hasseris Church; nurturing a creative environment with d&b
デンマークのオールボルグに位置するHasseris教会は、音楽を通してプロテスタント教派を盛り上げることに定評があります。「私達は礼拝のために新たなリズミカルな音楽を創造しようとしているのです。そこで私達はヨーロッパ中から作曲家を招き入れ、様々なアイデアを取り入れています。」そう語ってくれたのはHasseris教会でオルガニスト、そしてミュジックディレクターを務めるMogens Jensen氏。「私達が念頭に置いているのは、クリエイティブな環境をはぐくむこと。つまり、フォークソングや現代音楽から新たな音楽を生み出し人々を惹き付けることで、教会をより身近に、そして手軽に訪問できる場にすることです。」
身近で手軽という言葉は、Jensen氏が特別な音響を探し求める中でも胸に抱き続けた言葉に違いありません。「当教会は建設からおよそ50年、ユトランド北部の伝統的な工法による石造りの建物です。そこにd&b audiotechnikのラウドスピーカーシステムの導入を決意したのは、教会が広大で、音響があまり良くないからです。3~4秒の間隔で反響する上、残響音にも悩まされていました。」僻地であるダニッシュ出身のオルガニストにとって、d&bとの出会いはまさに運命だったと言えます。
「初めてd&bの名を耳にしたのは7年前です。当時私はデンマーク南部のエスビヤーにある高校を訪れていました。私は音楽家ですので、様々なタイプのラウドスピーカー、そしてアンプリファーシステムを体験する機会があったのですが、d&b機材はこの時が初めてでした。その解像度の高さには驚かされました。ほんとにクリーンな音だったんです。私がラウドスピーカーにまず求めるものは、その存在を感じさせないこと。観衆に届くものは音楽と歌だけでならなくてはいけないのです。コンサートが終わると、私はステージへ上がりd&bロゴを目にしました。それからしばらくして、ノルウェーのオスロにてJakob教会のカルチャーイベントに出席した際に、またそのサウンドを体験したんです。完璧にクリアで、生の音そのものでした。ステージで目にしたロゴはもちろんd&b。とにかく透き通ったサウンドで、それが増幅されたものだとはとても思えませんでした。生の音が細部までクリアに響いてくるんです。」
これらの驚嘆すべき経験をもとに、Jensen氏は自らの抱える課題と向き合っていきました。「当教会にd&bラウドスピーカーを調達する道のりは、案外簡単だったんです。多くの音楽プロデューサーに話を聞く中で、デンマークにおけるd&b販売代理店であるAlfa Audioの名がしばしば挙がり、そこのディレクターであるLas Frederiksen氏に相談することを薦められました。自分でもインターネット検索をかけてみたんですけどね。d&bはすぐに見つかりました。私がLarsに伝えたのは、まずは私自身が演奏する巨大なパイプオルガンがあるということ。そして教会が雇っている7人のプロミュージシャンがサックス、フルート、アコーステックギター、そしてシンガーを務めており、パイプオルガンに対しておよそ+6dBのバランス調整が必要であるということです。」
Frederiksen氏がHasseris教会のためにとった手法は型破りなものでした。「私はd&b Ti10Lラウドスピーカーを垂直方向に身廊を見下ろす形に設置したのですが、垂直方向での設置の通例とは違い、ホーンは90°回転させてあります。つまり、Ti10Lをラインアレイの一部であるかのように使用したのです。これにより非常に狭い水平拡散パターンと広域の垂直拡散パターンを実現し、教会の壁を刺激することなく観客をカバーすることが可能になります。Mogensのパイプオルガンは祭壇とは反対側のバルコニーにあり、その下で小さなオーケストラが演奏します。そこにはTi10で構成される別のPAシステムを設置、反響をカバーするためにE0をいくつかの場所に設置しました。これらにより、祭壇とバルコニーどちらの方向からでも完璧な音響が得られます。」
「当教会には5つの聖歌隊があり、葬儀、婚儀、学校や幼稚園に出向いてのコンサートなど、様々な場で活動しています。」ラウドスピーカーシステムの多目的使用の必要性について、Jensen氏はそう説明します。「他の教会で演奏していると、音楽はとても綺麗に響いても、牧師の声は潰れて聞こえてしまう環境がよくあります。当教会はとても多忙で、週に10回の礼拝があり、日曜にはおよそ500人の人手、週を通してではそれを遥かに上回る数の人々が訪れます。今ではその彼らに対して、音楽と同様に牧師の声すらもクリアにお届けすることが出来ます。」