A night to remember and a view to die for: d&b and the Capitole, Beirut
夜の時間を楽しむ人々にとって、街のスカイラインを見渡す絶景に勝るものはほとんどないでしょう。中東のパリと称されるベイルートの街並、ロマンスとアドベンチャーのスパイス、文明のゆりかごに佇む、クラシックと中東が混在した建築様式。こうしてベイルートの夜を極めて熱狂的に彩ってみせるのが、ベイルートのダウンタウンに居を構えるCapitole Roof Top Barです。
「立地こそが全てなのです。」そう語るのは、Capitolの共同オーナーであるSamer Rizk氏。「その点Capitoleの立地は文句の付けようがありません。しかし、街の真ん中でオープンエアーの施設を成功させるためには、特有の課題がありました。Capitoleに強力なサウンドシステムを導入するためには、当然のごとく近隣住民に配慮しなければなりませんし、その取り組みは昨年まで続いていました。もちろん当施設を訪れてくれるお客さんのことも忘れてはいけません。」
Capitoleは深夜まではバーレストランとして営業し、その後はナイトクラブへと姿を変えます。こうした多目的性により、Rizk氏は地元の企業Seebeck Audio社でディレクターを務めるサウンド技術者、Youssef Aoun氏に個人的に意見を求めました。「草案は2009年に仕上げました。d&b audiotechnik E8 ラウドスピーカーに加え、バーの様な小さなスペースにはE0を設置することで音圧を底上げしています。ローエンドはE15-SUB一台のみで賄っています。」Capitoleが占める面積は決して狭くはなく、ピーク時には500人のクラバーでひしめきあっています。そこにどうしてサブウーファーがたった一台しかないのでしょう?
Rizk氏はその点についてこう説明します。「私たちはCapitoleを二つのセクションに分けています。一方は大音量の音楽が鳴り響くスペース、そしてもう一方はお客さんに心地よく会話を楽しんで頂けるスペースです。Capitoleは完全にオープンなスペースで、二つのエリア間に高い壁は存在しないにも関わらず、Youseff氏は見事にそれらを両立してみせました。d&bのシステムは素晴らしく、そのサウンドは最高のもの。当初、私はオープンな環境を考慮し、Youseff氏にはサブウーファーを設置しない様にお願いしていました。しかし彼は一台置くべきだと私を説得し、その結果も完璧でした。そのセッティングも、振動ではなくサウンドを得られるレベルに設定してあり、お客さんも大変満足しているようです。」
同様にAoun氏も自らのソリューションに喜びを見せています。「d&b ラウドスピーカーが持つ音響分布のパターンは、Rizk氏、そしてそのパートナーであるCarlos Esseily氏が求めるサウンド環境を提供してくれました。当施設はベイルートでもトップクラスのバー、私に言わせればまさにそのトップに君臨するバーです。ここを訪れる人々はそれに見合うだけの音質を求めており、大げさなDJが馬鹿でかい音量で音楽を鳴らすような環境などはもってのほかなのです。
「Youssef氏が新たなシステムを設計してくれて以降、地元当局との間で騒音に関する問題は全く起きていません。」Rizk氏は満足げにそう語ります。「中と外の両方で皆さんを満足させられているという事は大変喜ばしいものです。」こうしてCapitoleの評判は、ベイルートの夜空高くへ舞い上がり続けています。