DublinのIsaac Buttが、d&bで真剣なサウンド創り
「これは、自分達の仕事を真剣に考えている人々のための最高水準の技術を持った音響システムです。」と、ダブリンを拠点とするプロオーディオ会社McDonnell Systems社のDave McDonnell氏が言いました。彼の会社は、ダブリンのナイトライフシーンで最新の場所である、旧Isaac Butt Barで現Isaac Butt に変更された、Radio City に最近d&b audiotechnikのPAシステムを設置した事を話してくれました。 Isaac Buttは、アイルランドで激しい自治運動が繰り広げられたとされるダブリンの中心地にあり、最近改修されたこのバーは、街の音楽好きクラバー達のためのメッカとなりました。そこは、各種のバーが三階のフロアーまでに点在していて、地階の"Radio City"にd&bシステムが設置されました。ここは、夜更けになると将来有望なバンドが登場して演奏する登竜門的な会場となっています。 ディレイ用のCi80と数箇所のブラインドスポット用のE0を加えたd&b Qi7とQiサブウーファーで構成されるシステムは、Kevin McGing氏の協力の基、Butt Bar専属のサウンドエンジニアAndy Colbert氏によって設計・設定されました。Kevin McGing氏は、アイルランドに於けるプロオーディオ業界の先駆者的な専門家の一人で、機材を供給したMOSCODESIGN社のサウンドエンジニア兼デザイナーでもあります。 d&b D12アンプは、Qi-Seriesラウドスピーカーを制御する一方、ディレイ用Ci80とE0はd&b E-PACで制御されています。Colbert氏は、4ヶ月間に渡ってアイルランドや英国内の各地を訪れてPAシステムを調査した後にd&bシステムを設定しました。彼はその期間中に、仲間から聞いたことやそれに関する資料を読み、あらゆる音質の変化を試行錯誤的に繰り返してみました。 「Radio Cityのシステムを設定するときに頭によぎった最優先課題は音質でした。もし、新しい建物内の会場について真剣に考えるならば、二流のシステムを導入することはできません。」と、 Colbert氏が強調しました。「ダブリンでは、多くの会場が各種の基準を持ち、高いレベルでしのぎを削っているため、、例えばRadio Cityのような最新設備を建築する時にそれに見合う適切なPAを投資すべきで、それをしないならばビジネスで争うという考えを諦めた方がよいと思いました。私にとって明確であったことは、可能な限り高い基準を満たすと同時にバンド、観客、そしてエンジニアへの配慮することでした。」と、彼が続けました。 Colbert氏は、ライブコンサートのエンジニアとして13年間にも及ぶ豊富な経験の中で、色々な会場で色々な問題を経験しました。そして、Radio Cityのために音響システムを設計する時、これらの全ての問題を考慮しました。「設置に先立ち数ヶ月間、各社からの製品、サービス、機器、インストレーション技術スキル等について売込みを受けました。しかし、私はFOHシステムの選択には非常に入念な手法を取りました。それは、アイルランドで最高のエンジニア達のほぼ全てに意見を求めました。その理由は、ここに設置されるシステムは、後に彼ら自身も使用することがあるので、その時にクレームを付けられる懸念を持ちたくなかったのです。そして、彼らの意見を統合し彼らがどうしても言いたかった部分全てを採用しながら、自分なりの結論に達しました。」と、Colbert氏が言いました。 Colbert氏は彼自身の分析後、d&b audiotechnik Q-SeriesシステムをIsaac Buttよりも小さい会場である Cavernに設置したMOSCO 社のKevin McGing氏に会いました。McGing氏はこのシステムのデモの後、 Colbert氏がその翌週にテスト出来るようにそのシステムを会場に残しました。「私は、即座にこの小さなラウドスピーカーから届けられるクリアな存在感の虜になってしまいました。最終決定の最終兵器として、Carla Bruniのデビューアルバムを使いました。このアルバムは、非常に締まった音のするアコースティックアルバムです。スピーカーから出てきた音は、あたかもこのラウドスピーカー上でミキシングされたかのようでした!私はいくつか他のブランドのシステムでもこのCDを聴きましたが、これらほどまでボーカルが前面に出てくる物はありませんでした。 "No One Knows - Queens Of The Stoneage"の音量を最大に上げても、このラウドスピーカーは非常にタイトでまとまった音、一貫してパンチが利いているのに、決してリスナーに耳障りにきつく聴こえることがありません。ダブリンの音楽シーンを否定し、激変させるかのようでした!」と、Colbert氏が明らかに感銘して言いました。システムを選定するに当たって、音質と同様に、天井が低い会場であることと、吊られたスピーカーボックスによるステージへの見切れも考慮することが重要な点でした。「その要求にぴったり合ったQi7は、全てのコーナーに想定以上の充分なパワーを提供してくれる小さなボックスです。」と、 Colbert氏が付け加えました。 「私は、現在Radio Cityに正式に設置されたシステムを誇りに思うと同時に大変満足しています。」と、 Colbert氏が続けました。「私が幸運だったことは、建物の所有者が高い基準に対する私の考え方に共鳴してくれたことです。さらに、このシステムはどのような要求にでも対応できる柔軟なシステムであり、最も高い国際標準に準拠しています。我々は、舞台からFOH、モニターコンソールの3つに分け、ライブ録音を最適に行えるように 40チャンネルを2階上から使用できるようにしてあります。幸いにも、Radio Cityで特に悪い音響を克服しなければならない必要がありませんでしたが、主な障害は、構造的に不可欠な柱でした。しかし、Qi7の広い指向性がその障害を些細な問題として克服する手助けとなりました。実際、この1台のQi7は、他の狭い指向性の同じような製品を2台も買う必要を無くしてくれました。これも好感を持ったポイントでした。」と、Colbert氏が言いました。 全音響システムは、Colbert氏によって選定され設計されました。それは必然的に、 3社または4社の異なる会社との取引が必要となることを意味しています。「私には、設置される全て、例えばケーブルに至るまでの最終的な決定権がありました。 McDonnell Systems社にシステムの設置・施工を担当して貰う事になったことが、最終的に大変幸運でした。彼らは音響システムの施工・設置だけではなく、照明と映像の設置・施工業務も兼務しているため、単にRadio Cityのためだけでなく、彼らの異なる観点から全体像を構築してくれました。McDonnell Systems社のお陰で、建物全体は3つの会場と"メインパブ”とが手際よく統合ネットワーク化され、全てが相互接続されています。そして、どんな必要条件でも、ギリギリの要求にも応ずることが出来ます。」と、 Colbert氏が結論付けました。