グレーハウンドが脚を延ばせばグレーゾーンはなくなる
敏速、おしゃれ、機敏、スリム、そしてエレガント。本来のグレーハウンドらしく、以前の「グレーハウンド・ホテル」は新たな「グレーハウンド・クラブ」(略称GH)の登場とともにさっさと消えてしまいました。メルボルンで最も人気のあるゲイクラブ「GH」で新たなサウンドシステムが必要となったとき、Damian Priceマネージャーは「Star Observer」誌に対して「お客をぶっ飛ばすために、我々はほぼ100万ドルを照明サウンド設備に使ってきた」と語りました。そして「décor」誌も「階上にVIPセクションを特別に設置した本当にファンキーなバー」と紹介しています。 街からおよそ15分の場所にあるグレーハウンドは、他のメルボルンのクラブシーンからも離れています。つまり、お客さんをキープしたいなら、品質とクラブ体験の向上を図るしかないのです。このため、これを実現する仕様がd&b audiotechnikのPAシステムに要求されました。また、時間的な問題もありました。オーディオ設備は敏速に設置さる必要があったのです。現地のインテグレーターである「Sound Factory」の仕事と提供サービスの良さはこの地域でも有名でした。 グレーハウンドは街外れに位置するというものの、周囲には何もない訳ではありません。Sound Factoryの「クラブの後ろにはたった今、新しいマンションが次々に建てられている。インストレーション設計を行なったNational Audio Systems (NAS) のd&bシステムスペシャリストが、ローエンド・リインフォースメントのためにJ-SUBを選択した決定的な理由はここにある。NASはオーストラリアのd&b販売業者であり、今回のようなプロジェクトに対して常に素晴らしいアドバイスとサポートを提供している。例えば今回の場合には、セリングやウォールの吸音、J-SUBのカーディオイドパフォーマンスなどのおかげで、近隣に迷惑をかけることなくローエンドサウンドを維持することができた。メルボルン市の騒音検査員がチェックに来たとき、彼らは60 Hz付近およびそれ以下の周波数測定に特に注意していたが、 何の支障もなかった」とPaul Fitzsimmon氏は述べています。 グレーハウンドはコンテンポラリーなバーレスクスタイルによるショーをメインとするクラブです。さらに横にはDJ用の台が設置されています。d&b T-Seriesラウドスピーカーを使用するメインのPAシステムは左右にリギングされており、フィル用としてd&b E-Seriesを使用しています。 「聴衆が入ってくる1階パフォーマンスステージの左側は、PAの通常領域外となっている。これをE12数台でフィルアップとともに、DJの台が側面壁から突き出していることから、DJのフィル用としてもE12を使用している。また、バルコニーとフロントフィル用としてE8数台が設置されている。このようにして、このクラブはパフォーマンスだけでなく踊れるクラブとしての機能も果たしている。ここのステージショーは本当に見ごたえがある」とFitzsimmons氏は加えています。 建設申請は2010年中旬に出されましたが、ビルの改修工事完了とSound Factoryによる新照明機器とリギングシステムの同時設置の開始は翌年の3月末までかかりました。新プロダクションマネージャーを務めるJason Rooney氏は、このクラブのリニューアルオープンにあたって、「設置工事の完了後に遂げたNASのDave Jacques氏の功績も大きかった。私はダンスフロア上のサウンドに集中しながら、空間設定の微調整を行ない、この空間の中を歩きながら、一貫したサウンドを確かめたが、Dave Jacques氏が一緒にサポートと助言してくれた」と述べています。