Scarlet dancers with d&b in China's Venice of the East
もしもこの場所にドン・キホーテがいたならば槍を忘れて踊り出すことでしょう。そんなScarletは単なる普通のダンスクラブとは一味違います。現代ダンスミュージックが流れる店内のインテリアは、なんとスペインの植民地様式であり、流行に敏感な蘇州市の若者からの人気が大きな高まりを見せています。そもそも蘇州市は中国の東部沿岸に位置する江蘇省の中でも最も美しい都市の1つであり、エキゾチックな建築は珍しくありません。市内に張り巡らされた運河、数多くの石橋、石塔などを人目見れば、「東洋のヴェニス」という異名にも納得することでしょう。 上記のように、Scarletはスペイン、イタリア、中国の文化を1つにまとめたような存在とも言えるわけですが、そこにもう1つ加わるのがドイツのオーディオです。Nanjing Li Te Mei Technology Co, LtdのFeng Pan氏は、d&b audiotechnokのラウドスピーカーに対するこだわりについてこう語ってくれました。「最近の中国のダンスクラブは、とにかく巨大なPAシステムを設置したがるという傾向があります。大きければそれでいいのです。Scarletのオーナーはこうした間違った潮流には乗らず、適切なシステムを導入するように我々に依頼をされました。つまりは量ではなく質。その点を考慮すれば、d&b audiotechnik以外の選択肢はありませんでした。」 Scarletのインテリアデザインも最適な音環境への一助となりました。その構造は現代の音響機器に最適であるとともに、反響の問題もほとんど起こらなかったのです。カスティーリャの王宮を模したインテリアは全てに重厚な木材を使用し、様々な意匠が凝らされています。メインフロアを見下ろす形で設置された巨大なギャラリーにはスペインのガレオン船を彷彿とさせる手すりが備えられており、眼下でダンスに興じる人々を優雅に眺めることが出来ます。フロアには小さなテーブルが多数並べられているので、ダンスに気が乗らなければ座ってくつろぐことも可能。このようにScarletはバカ騒ぎしたい人、そして優雅にくつろぎたい人両方が楽しめる素晴らしいインテリアデザインとなっています。 Nonjing Li Te Mei Technology Co, Ltdをサポートしたのは、d&b audiotechnik (China) LtdのAlex Poon氏。「最終的な音響デザイン案は非常に良く練られたものでした。」そうPoon氏は説明します。「部屋がかなり大きいため、カバーしなければならないエリアが多く存在しました。Ci7とCi7サブウーファーの組み合わせをメインで使用し、バルコニーにはE12を設置。ローエンドはB2サブウーファー2機でブーストさせています。このパワフルさは現在でも使い勝手が良いものです。それらに加え、1ダース以上のMAX12ラウドスピーカーを歌唱用とDJモニター用に導入しました。それら全てがd&bのリモートコントロールネットワークで管理され、DJとダンス用、そしてカラオケのようなプレーバックで使用される歌唱用に2つのプリセットをプログラムしてあります。Poon氏と彼のチームの仕事ぶりは見事なものでした。」こうしてScarletは毎晩のように大変な盛り上がりを見せることになったわけですが、果たしてドン・キホーテが実際に立ち寄ったかどうかは定かではありません。