キリスト教世界集会でのd&b
HillsongとPlanetshakerの名前は、それぞれ幻想的なイメージと想像的なイメージを強く思い起こさせます。どちらの教会も若年層に焦点を当てたキリスト教会復興運動に取り組んでいます。文化的道徳を教える力強い指導者がいないと、多くの若者は目的や目標を持たず、自己破壊への道に足を踏み入れてしまいます。これは、ここオーストラリアでは、他の国で行われる時よりも歓迎される運動なのです。クイーンズランド州のゴールドコースト コンベンション&エキシビション センターで最近行なわれたAOG (キリスト教集会)の国内集会は、その復興運動の力を示しています。3日間に渡り、毎晩キリスト教のバンド演奏が3000席のアリーナで行われ、主導者達による現代のキリスト教の関心事項についての示唆的な演説も各日に行われました。 このようなイベントでPAシステムに求められることは、会議センターに通信システムが無いことは無いように明瞭度が第一に要求されます。いずれにしても、、システムを供給したIJSが必要な音響システムの全てを満たすべく契約を結んだ時、その内容は非常に明快なものでした。そのことについて、このイベントを担当するIJSのエンジニアRob Bird氏は次のように説明してくれました。「集会に必要な機材はHillsong教会が機材リストを用意してくれ、その内容は大規模なツアーのステージではごく一般的な機材ばかりでした。コンソールは、ヤマハPM5Dでその他の機材は、細かいステージ見取り図と配線図と共に一般的な機材がリストアップされていました。そしてエンジニアは教会専属の方が行うことになっていました。」 Bird氏はIJSのエンジニアNathan Davis氏と協力し、演説と音楽の両方の要求を満たすのに最適だと判断しメインシステムには、 d&bのJ-Seriesシステムを選択しました。「180度に渡って隙間なくカバーできるよう、Qシリーズをメインエリアの軸外の両サイドに追加しました。」 会場は比較的奥行きが無いような印象ですが、この点はどうだったのでしょうか?「約3,000人を収容するためにメインの客席の半分をアリーナ的に使いました。大きさの割には客席が非常に勾配の急な会場で、天井はかなり高いですが、問題は1階の客席部分にありました。フロア面積を増やすためにこの1階席の上に2階席がかぶさっています。従って構造上、ローエンドの低域のエネルギーが溜まるように感じられました。サブウーファーのエネルギーがフロアに集中し過ぎることが考えられましたが、フロアと座席の距離が近すぎてスタックでは十分に拡散させられるだけの距離がありませんでした。これはサブウーファーをフライングすることで改善するのですが、吊り点の荷重量限界によって吊下げることができませんでした。」Bird氏は会場内の低周波数の残響をみながら、最も効果的な構成となるように、Jサブウーファーのスタックを何度か行いました。「ステージ前を横切る形で4箇所に2段に配置し、中央にCSAモードのB2を配置することで低域を制御することができるようになりました。」 演目はどのように進行されたのでしょうか?「午前の部はメイン会場で教会の礼拝のようなことが行なわれました。バンドは礼拝で歌を 2、3曲演奏し、それから1時間スピーチがあり、そのあと1、2曲演奏し昼食になりました。午後の部は、夜に行われるバンドのためにサウンドチェックを行ないました。夜の部は礼拝と短い訓示が行われました。全体的な音量は、バンド演奏時で最大105dB程だったと思います。しかし、音楽自体は非常に強弱に富んだ内容でした。Hillsong Band、Planetshakers、そしてHillsong Unitedが各夜のメインアーティストを務めました。どのバンドも非常に才能があり、音楽もトップクラスで、とても上手でサウンドも最高でした。エンジニア達は皆、素晴らしい仕事をしましたが、中でも特に、ミキシングの大部分を行ったHillsong教会のPeter Wallis氏と、Planetshaker教会の Brian Vayler氏の仕事は素晴らしいものでした。」