A trademark of prestige and cool: d&b and the Rat Pack

1/3
2/3
3/3

例えば今日Robbie WilliamsとHarry Connick Jr,そしてChris Brownが同じステージに立ち、そして象徴的存在であるということを想像するというのはかなり難しいと思います。かつてはRat Pack、Frank Sinatra、Sammy Davis JrとDean Martinがこのような豪華且つ格好良いという世の男性全てが密かに望む存在の代名詞でした。彼らは広く知られているSinatraだけを見ても優れた歌手としてだけではなく銀幕の世界でもスターでありました。当時の現象をロンドンのステージで再び垣間見るには、普段以上におしゃれにキメる必要がありますが、少なくともそれができなくても彼らが洗練する手本を見せてくれます。このようにセンスを磨く内容においては特に基本に忠実なサウンドが重要です。 記念のミュージカル「スリラー」での成功も記憶に新しいサウンドエンジニアのChris Whybrow氏がラスベガス的な雰囲気をロンドンのアデルフィに持ち込んだかを教えてくれます。「バンド全体はひな壇のような台の上で演奏しますので客席の位置によって聴こえる楽器の直接音が異なります。例えば2階席ではトランペットの目の前になります。Rat Packを表現するに当たっては正確に音楽を伝えることが大きな割合を占めますそのためこれらの難しい場所も含めてバンドのバランスをきちんと取る必要性があります。このアデルフィはロンドンのミュージカルの聖地ともいえるこのウエストエンドでは典型的な縦方向に3層の客席があるレイアウトになっています。そのため私は各階層にQ1アレイをLとRに分けて設置しています。加えてQサブウーファーを1階と3階のギャラリー席レベルにフライングしています。私はどちらかと言えば余りサブウーファーから大きな音量を出す方ではありませんのでキックとベースとボーカルの一部だけがお客さんに伝わる位の物量しか設置していません。」 このような縦方向への客席層に対する対処は他にも施されたのでしょうか。「各階層毎にハウスコンソールDigicoのSD8を使用して異なるミックスを行っています。マトリックスにストアした8つのグループを使用して階層毎のミックスを行いました。トランペット、サックス、キーボードやドラムを主体としてそれにボーカルを乗せL/Rに送っています。他にも各階層毎にFOHのすぐ後ろ辺りの位置に6台のE0をディレイフィル用として並べて設置してあり、それぞれへの送りも別にしてあるので3階層の客席それぞれにディレイ設定することができます。メイン、ディレイ全てのシステムは独立したディレイ設定ができるのでこれらを3つの管楽器と合わせます。そしてバンドのモニターにはステージ上にセットに合わせた白色のE0とE3を使用しています。ボーカルはボーカルだけ独立したグループにしてバンドの位置より低い場所なので数ミリのディレイを掛けています。ボーカリストは全てRat Packの時代に合わせたシャンパンカラーの有線マイクKSM9を使用していますが、当時の時代に合わせたのはこれだけです。私はよりクリーンなサウンドとボーカルを最良な状態で聴けるようにしたいのですが敢えてオーケストラにはディレイを掛けることで粗っぽさを出しています。このようにして21世紀の制作環境の中で60年代の懐古的な雰囲気を醸し出しています。」 Whybrow氏は過去数年間ほぼ例外なく殆どの仕事をありとあらゆる構成のQ-Seriesで行っています。「 Qはやりたいことが全て行える間違いなく最も多様性を持ったラウドスピーカーだと思います。ここアデルフィはウエストエンドの中でも比較的大型の劇場で1000席以上ありますがこのPAシステムでは後ろ壁に当たってしまうような多くのディレイシステムを設置する必要がありません。今回の演目ではThrillerのようなどの席でも出来る限り高いレベルを供給する必要はありませんでしたが、最後部まで全てがきちんと聴こえるようにしなければなりませんでした。ディレイに使用したE0はステージから若干見切れる後方の客席の一部だけに声を聴かせるために設置しました。結果バンドの音は非常に良く、声も自然に聴こえていました。初日の夜にSammy Davis役を演じたGiles Terearaが繊細に再現したMr Bo janglesによってスタートしました。これは百聞は一見にしかず。というように実際に聴くと他に代え難い感動だったことと思います。」 ショーは当時の彼ら3人のトリオが名声を得ていた時代がフラッシュバックするかのようなユーモアとリラックスした輝く空間を再現しています。オープニングの翌日9月28日には各メディアにレビューが一斉に掲載されました。その内容は極めて優れた歌唱力や当時の各人が二人いても足りないような躍動感についてです。しかしこれらの声はRat Packの持っていた神秘的な雰囲気無しでは得られないショーであったからこそ得られたものだと思います。

このサイトをシェア

類似の導入事例

劇場&オペラハウス

『セールスマンの死』に新しい息吹を与えたd&b Soundscape。

劇場分野で画期的な発展を見せ続けるd&b Soundscapeが、今回ロンドンのウエストエンドで『セールスマンの死』に新しい息吹を与えました。
続きを読む
劇場&オペラハウス

d&b Soundscapeで喝采を浴びた『くるみ割り人形』

『くるみ割り人形』は、子供の空想の世界におもちゃやお菓子が生き生きと踊りながら登場するというシンプルなストーリー構成はでありながら、バレエ界、そしてバレエファンに長年愛され続けてきた定番です。全てのおとぎ話同様、このE.T.A.ホフマンの名作『くるみ割り人形とねずみの王様』は、勇気は報われる、残酷さは何もいいことをもたらさない、と言った道徳観を子供たちに伝えてくれます。
続きを読む
劇場&オペラハウス

ちいさなスコットランド、Corby Cube

イギリスのイースト・ミッドランド地方のLeicester、Peterborough、そしてNorthamptonで構成される三角形の地帯には、産業的な背景から独特な人口分布を持つ都市が存在します。
続きを読む
劇場&オペラハウス

The Lowry celebrates its tenth anniversary with a ‘first in the UK’ from d&b

SalfordはSalford Quayに居を構える劇場でThe Lowryの10周年を祝うのは、イギリスで初めて導入されたd&b audiotechnikの最新機種E6ラウドスピーカーです。一見すると、お祝いと言うほど大した出来事ではないように思われますが、そこには大いなる歴史が存在するのです。E6はE3の後継機種なのですが、そのE3はd&b...
続きを読む
劇場&オペラハウス

Sadler's Wells劇場でのフラメンコフェスティバルとd&b T-Series

2009年のフラメンコフェスティバルはロンドンのSadler's Wells theatreで行われ6つのカンパニーが出演し2週間ノンストップで行われました。使用されたシステムはd&b audiotechnikの新しいT-SeriesラウドスピーカーでOrbital Sound社から供給されました
続きを読む
類似の導入事例
全ての用途

d&bの採用事例

使用用途がモバイルか固定設備用、屋内か野外か、大規模か小規模か等に関わらずd&bは全ての要求を完全に満たします。そして、専用のシミュレーションソフトウェアでシステム設置計画を最適化できます。
全ての事例を見る