Rybnik's Cultural Centreがd&bを導入
チェコ共和国の国境をまたいで栄えるオストラヴァ、ハヴィジョフの集合都市と同じく、リブニクの文化はポーランドよりもシレジアの影響をより強く感じさせます。シレジアは石炭発電所の拠点としてソ連圏で重要な位置を占めていたため、当時のリブニクの住人にその文化の発展を楽しむ余裕はありませんでした。今日でも石炭発電所の冷えきった煙突が立ち並び、重工業都市の雰囲気を感じさせるとはいえ、今やここの住人達は、自分達の文化を好きなだけ謳歌することが許されています。 ワルシャワを拠点とするKonsbud-Audio社が、リブニクのカルチャーセンターに新たな機材を導入するという依頼を受けた際、すぐに選択肢として取り上げられたのがd&bです。建物自体は46年程前に建てられたものですが、今や現代的な多目的ホールとして使用されています。そのカルチャーセンターのホールに導入する機材は、ポップアーティストの大規模なコンサートからアマチュアの劇団まで、全ての需要に応えられるだけの性能でなくてはならない、というのがKonsbud社に課せられた課題でした。 ホールは垂直面と水平面のどちらも不規則な構造になっているため、メインステージの仕様の決定はとても難しいものでした。そこでKonsbud社はQi-Seriesから様々な製品を組み合わせることでこの問題に対処しています。左右メインアレイにはQi1 ラウドスピーカー、そして低域にQi サブウーファーを組み合わせ、バルコニーとパルテールをカバーしています。さらに観客席最前列のE0 ラウドスピーカーをニアフィルにして、低域用にQ サブウーファーをスタック設置しています。全体のシステムはD6、そしてD12 アンプで駆動させ、d&b R70 リモートインターフェースを使用したタブレットPCによってワイヤレスのリモートコントロールを実現しています。Konsbud-Audio社のチームは各ラウドスピーカーを綿密に調整することで、この左右非対称な劇場における難題を見事に乗り越えてみせました。 カルチャーセンターに新たな機材が導入されたことで、これまで暖房の効かない教会や、タウンホールのすきま風吹く劇場での公演を余儀なくされてきたローカルのパフォーマーにも、様々な用途に対応する機材を備えた近代的で素晴らしい施設が用意されたことになります。ポーランドの厳しい冬を一度でも経験した人であれば手放しで喜ぶことでしょう!しかし最も重要なのは、「Rybnickie Centrum Kultury」という強化された設備を持つ施設が出来たことで、これまでこの地に興味を抱いてこなかった音楽家や劇団にもアピール出来るようになったこと、そして結果的にそれはこの地域自体の存在感にも繋がるということです。高品質なサウンドを実現するためにd&b機材に投資したことが、シレジアの(そしてポーランドの)
文化を代表するリブニクという都市を再発見する手助けとなっているのです。