Y-Seriesがガイエティーシアターのダブリンへのカムバックを実現
アイルランド、ダブリンのサウスキングストリートにあるガイエティーシアターはこの街で最も古く、絶え間なく公演が続けられている劇場です。1871年11月のオープン以来、ミュージカルショー、オペラ、バレエ、ダンス、演劇等、様々な用途に使用され、ダブリンの観客たちを楽しませています。1971年にはユーロビジョン・ソング・コンテストもここで開催されました。2000年以降、オーナーは700万ユーロ以上を投じ、この豪華な劇場の改修を行なってきました。
そして2013年、d&bのパートナー企業であるMOSCOはプロフェッショナルなオーディオ設備、Q-SeriesおよびE-Seriesのラウドスピーカーをこの劇場に設置しました。これらの設備はあらゆるジャンルを通じて好評を得ました。特に、夏季の10シーズンにわたってd&b Q-Seriesを使用したRiverdanceの成功は話題となりました。このパートナーシップの成功をきっかけに、ガイエティーシアターは今年、QシステムのアップデートをMOSCOに依頼しました。その結果、Y-Series ソリューション、およびディレイとしてE-Seriesが設置されました。
ガイエティーシアターのテクニカルオペレーションを統括するMatthew Cregan氏は、「我々ガイエティーシアターでは、シンプルな演劇から大規模なミュージカル、そしてRiverdanceといったアーティストによる演奏にいたるまで、幅広い作品を取り扱っています。d&bシステムはこれら様々な作品のすべてに対応でき、そしてジャンルを問わず、ボーカル再生ではどこの製品にも負けていません。だから、今回アップデートを決めたときも迷いなくMOSCOのMick O’Gorman氏に電話を入れたのです。私は、金額に見合った価格と品質を重視しています。MOSCOのチームは、手の届く価格を維持しながらも非常に優れた品質の製品を提供してくれます。Kevin McGingやMick O’Gormanの協力を得ながら、我々は、拡声用として機能しながらも我々の美しいオーディトリアムの景観を損なわないようPAキャビネットの位置に充分注意しながら、d&bシステムを設計しました。 Yは見た目は小型ですが、サウンド面では何の妥協もないボックスです。」と述べています。
段状とグランドサークルの客席はメインシステムとして機能するY8とY12のラインアレイラウドスピーカーでカバーされました。 低域はQ-SUBで、インフラ低域はB2-SUBで、そしてディレイはE5で行なうようにしてあります。ドレスサークルには、Y-Series Y7Pポイントソースシステムが設置され、ここでも小さなE5がディレイとして起用されました。アッパーサークルでは従来どおり、Q7がどっしりと居座っています。ラウドスピーカーはd&b D12 とD6アンプで駆動され、d&b R1 Remote control software V2で制御されます。
Matt Cregan氏とガイエティーシアターのテクニカルマネージャーであるDan Egan氏の要望で、d&b GB EASチームのOran BurnsがKevin McGing氏とともにシステムの最適化を行ないました。この作業は丸1日を費やして行なわれました。「我々の狙いは、音色、レベル、タイムアラインメントといった領域でシステムエレメントを統合し、一貫性と明瞭度を強化することにありました。」とBurnsは報告します。「チューニングとアラインメント用としてチューニングキャプチャー測定ソフトが使用されました。チューニングキャプチャーのMultiWin機能とインパルスレスポンス情報の明瞭なディスプレイがこのプロセスを非常にスムーズにしています。最終的には理想的な環境が整い、両社およびこのプロジェクトに関わったエンジニアたちにとって素晴らしいスタートとなったはずです。」
Cregan氏は、「我々は非常に満足している。QからY-Seriesへのアップデートは、次々と製品を提供し続けるd&bの可能性を証明したものと言えます。」とまとめています。
写真提供:The Gaiety Theatre