香港を熱狂させたSoundscape。
前回のタイでの開催を経て、3年目を迎えるALTN8(発音はオルタネイト)はホームグラウンド、香港に戻り、地元のファンたちにエレクトロ、ハウス、テクノ、その他のジャンルのEDB(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)を楽しんでもらうことになりました。スーパーフルー、タク・ヒラヤマ、ロマン・フリューゲル、エクストラウェルトといったヨーロッパ、アジアの10数名のDJを招いてのこの大パーティには1000名ものファンが訪れました。<br/> 会場には、香港の高層ビル街と住宅街の真ん中にあたるPMQが選ばれました。歴史的な建物であり、近年ではお洒落なデザイン、ファッション、食事などで人気のトレンディスポットとなったPMQは、フェスティバル主催者の革新的な精神にぴったりのロケーションです。「境界線を広げていきたい」と語るのはALTN8創設者の一人であるチャーリー・トラ―です。「新しいものにトライして、人々とそれを分かち合いたいんです」。
「この会場で僕たちが開催するイベントの中では最も規模が大きいものになりました」、とトラ―はこの大きなチャレンジについて語ります。「PMQは香港でも歴史のある建物の一つで、ここに世界中からアンダーグラウンドDJを招いて、たっぷり没入できるようなイベントをしたい」。<br/> トラ―とこのイベントの技術ディレクター兼システムエンジニアを務めるジョナサン・ルーリンが現地のサウンド/照明レンタル企業Beating Heart社とd&b audiotechnikの香港支社に連絡を取り、d&b Soundscapeを体験することになりました。「d&bのスピーカーを使ったことはあるんですが、Soundscapeは全くの新境地を僕たちに見せてくれました」、とトラ―。「フェスティバル訪問客のためにもっとディープな没入型体験をクリエイトすることができます」。<br/> ソリューションを提示したのはd&b Y-Series。これはBeating Heart社が実装しました。全てを駆動したのはd&bのD80アンプ。2台のY8と2台のY12に2台のY-SUBを組み合わせたハング、その低音をしっかりとサポートすべくフロントにレイアウトされた2セットのB22-SUBグランドスタック。会場の後方には4台のY8と2台のY-SUBで構成される2セットのハングが配置されました。両サイドに沿って5台のY7Pが均等な間隔で立ち並び、360度のカバレッジを確保しました。モニターとしてM4を4台使用することになりました。
コンソールからのDante信号がd&bのDS10オーディオネットワークブリッジとDS100 Soundscapeプロセッサで受信されます。<br/> d&b En-Spaceソフトウェアが本来ドライな音響に潤いを与え、360度のサラウンドサウンドをクリエイトします。「DJからのチャンネルは2チャンネルだけだったんで、はじめはちょっと心配だったんですよ。でもシステムが各チャンネルを重複してくれるし、En-Spaceを使って聴衆をサウンドで包み込みことができます。取扱はすごく簡単で、しかも極上の結果を出すことができました」、とルーリン。<br/> チームはまた、メインシグナルでサウンド効果をミックスし室内にそれらのエレメントを散りばめることができるようしっかりと準備を整えました。
d&b Soundscapeにとって、香港でのデビューイベントとなったALTN8。それゆえに、現場のスタッフにとってはこのイベントがSoundscapeを取り扱う初めての機会となりました。「構成が難しくなるんだろうな、って思っていたんですが、すごく分かりやすくて簡単でした」。そう語るのはBeating Heart社のオーナー、クレイグ・ロマスです。「緊張するっていうより、ショーに参加してたっぷり楽しみました」。<br/> 「取り扱いはすごく簡単で、効率的なツールです」。とルーリンも同意します。「d&bのSoundscapeはすごくクリエイティブなソリューションです」。ロマス曰く、「自分たちが希望していたよりチャンネル数が少なかったので、そんな状況からスタートして、創造していたよりも遥かにインパクトが強いサウンドを届けることができました。EDMファンではないんですが、このイベントではすっかり夢中になってしまいました。Soundscapeの実力のほんの一部を見ただけなのかもしれませんが」。<br/> 「全体的なフィードバックは『凄い』の一言でしたね」、とルーリン。「会場内の人々はどっぷりとサウンドに没入していました。サウンドのクオリティにもサウンド効果にも驚いていました。素晴らしい体験でした」。