d&b loudspeakers in the Labyrinth.
オーディション番組X-factorを勝ち抜いたタレントを、真のライブパフォーマーとして成功させるには、人間と技術を含めたスキルとサポートが要求されます。今年の5月、Leona Lewis氏はLabyrinth Tourのイギリスでの舞台にSheffield Arenaを選択しました。ロンドンの批評家達の的になることを避けるには格好の舞台ではありますが、大舞台でのライブデビューとしては野心的な場であり、適切なプロダクションが要求されます。
サウンドのエキスパートとして、Lewis氏はWigwam Acoustics社とFOHのエンジニアであるKevin Pruce氏(Madonna、Duran Duran)を招きます。その彼らが、Lewis氏の疑いようのない歌唱力を最大限に引き出すために選択したのがd&b audiotechnikのラウドスピーカーシステムでした。「d&bの製品はサウンドをそのまま再現してくれますからね。」Pruce氏はd&b製品について手短かに語りました。
今回使用されたシステムはJ-Series ラウドスピーカーに加え、Q10がフロントフィルに使用されており、そしてフロアに配置されたJ-SUBがローエンドを力強く担当しています。Pruce氏はこう指摘します。「d&b ラウドスピーカーは違うシリーズの製品であっても良く似たサウンドを出してくれるため、特定の目的に対して様々な製品を組み合わせて使用することが出来ます。実際、Q10とJがそれぞれ配置されたフィールドを横切ったとしても、その違いには気づかないと思いますよ。」本ツアーにおいては、Lewis氏の特徴であるボーカルこそがPruce氏にとっての最優先事項となりました。「彼女のボーカルは、1つのフレーズの中でも低音のウィスパーからシャウトまでとても広い領域をカバーするため、大きなチャレンジとなりました。バンドのサウンドが重なった状態で彼女の声を聞かせるのには苦労しました。」
Lewis氏と以前にも仕事を共にしたモニターエンジニアであるAnt Carr氏にとって、このような特殊なプロダクションを生み出すためには2つの方法が必要とされました。「Leona氏とバンドのサウンドはステレオのIEMミックスとして、d&b M4 モニターを介してダンサーと空中アーティスト陣に届けられます。それに加え、各バンドメンバーのためにd&b Q-SUBを設置すると共に、下部ステージ裏にはJ-SUBを数台用意しました。」Pruce氏と同様に、Carr氏もLewis氏のボーカルレンジの特徴について熟知しています。「Leona氏と共にいくつかのショーを経験したことで、彼女のボーカルのパワーには特別な注意を払う必要があると分かりました。初のツアーでアリーナを飛び回るのは簡単な事ではありませんから、環境に慣れてもらうために数回の公演を共にしたのです。」
大衆紙、業界紙ともに、その批評は概ね好意的なものであり、Lewis氏の歌唱能力は素晴らしいが、ライブパフォーマーとしては学ぶべきものが残されている、という点で見解が一致していました。いずれ彼女は立派なライブパフォーマーとして成功するはずですが、それまでは素晴らしいエンジニアリングと手堅いプロダクションが彼女を支えていくことでしょう。
画像と文章の一部はTPi社によるものです。