Flower Powers Daisy Festival.
「1932年にオリンピックスタジアムとして建設された座席数11000席のロスアンゼルスコロシアムを使用したとにかく大規模なイベントです。」と何とかうまく皆さんに状況が伝わるように語るのは今年のElectric Daisy Carnival(以下GDC)のプロダクションマネージャーであるIan Gotts氏。「加えて競技場内のインフィールドも使用します。最初の年はフィールドの一部のみでしたが昨年から更に拡大されました。今年はそれらを含む3階席相当の最後部にVIPエリアがあるのでそこまでクラブレベルの音響と質の高い音質を提供しなければいけないということでした。」 Insomniac Events社がプロモートするEDC 09’のプレスレポートを引用すれば北アメリカで最大のダンス音楽フェスティバルということです。「Insomniac社の代表Pasquale Rotella氏は1993年より南カリフォルニアでダンスイベントをプロモートしており、その実績からアメリカにおいて最もダンス音楽に影響を与えるプロモーターとして知られています。」Gotts氏が語るこれらの定評ですがこれらについて同氏はInsomniac社に必要なサウンドを熟知していると言えると思います。「客席の距離、そして客席の異なる階層を考えれば簡単ではありません。私は以前に何度も同じようなイベントで頼んだ3G Live(以下3GL)社に音響を依頼しました。彼らのメインエンジニアJulio Valdez氏はいつも良い仕事をしてくれますが、そんな彼らがd&bの機材を導入したということで即決で依頼しました。」 Gotts氏はイギリス人で以前は自国で伝説のDJ Paul OakenfoldやFatboy Slimらと仕事をする中でd&bブランドは永きに渡って関わりがあったと打ち明けてくれました。「音を聴いて直ぐに気に入りました。特にローエンドの量感が素晴らしいです。アメリカに来てからも使用できる限りはd&bを選んでいました。3GL社のJulio氏は私が行ってきた仕事の中でもずば抜けて良くできる人でスタッフを熟知し、常に我々のイベントにベストなサウンドを提供してくれます。その彼がArray-Calcで作成したJ-Seriesのプランを私に見せてくれた時にこれで完璧だと言われましたが、最初は正直言うと大丈夫かな?と思いましたが彼の言ったとおりでした。非常に驚くと同時にそれは最高の物でした。」 Curtis Zavodny氏は3GL社のシステムエンジニアですが、その彼が構成のポイントを説明してくれます。「我々は片側に12台のJ8とその下に12台のJ12の計24台のJキャビネットをフライングしています。このように変則的により指向性の広い多くのJ12を使用した理由はアレイの長さが必要だったことと、垂直方向にほぼ直線であったからです。よりロングスローにするための多大なカップリングを得るためにスプレイ角は0°か1°にしてありほぼストレートにしました。この設定はこの使用では成功だったと言えます。最大のカバー距離が650フィートでしたがオープニング前日にテストをしましたが、一番遠くのエリアでも目の前で鳴っているかのような感覚でした。」 Valdez氏のプランにはコロシアム最後部向けのディレイシステムも含まれていました。「ディレイ用には2箇所に10台のQ1アレイと6台のB2-SUBをグランドスタックしました。この後方部には大型のVIPエリアがあるために手を抜くことはできません。QとB2は主にボーカルとローエンドを補強するために使用しました。」このローエンドの補強はステージでもより強力なアプローチが取られました。「当初の予定では、L/Rに各9台のJ-SUBを2箇所づつフライングする予定でした。」とZavodny氏。「しかし吊るにあたってスペースが無かったので1列のみにして後はJ-InfraとB2-SUBをグランドスタックすることにしました。B2は32台使用しましたがDJ達がステージ裏でもローエンドが欲しいということだったので敢えてCSA構成にはしませんでしたDJ達はあふれるようなローエンドが欲しかったのです。」 Gotts氏は専門学校にて以前2カ月間でSRコースを学びました。「以前より詳しくなりました。」そんな彼が3GL社の努力を最高であったと評価します。「フィールドでのサウンドはとてもクリーンでパワフルでした。メインとディレイは最も離れたエリアを含めて素晴らしいカバレージを提供していました。プランの出来を推し量るには一番離れたエリアで聴けば直ぐにわかります。基本的に3GL社は私と共に下見をした時点で全てを完了していたと言ってもいい位です。信頼性、質の高いクルー、優れたサウンド全てを一括して彼らは提供してくれるのでこれ以上求める物はありません。」 写真の使用権はDrew Resslerに許可を得て掲載しています。