第4回スイスのSt. Gallen Festspiele、d&bで増幅される
2009年で4回目を迎える古典オペラの野外上演を含んだフェスティバル、St. Gallen Festspieleはスイスの最も優れたフェスティバルで今回は、 Saint- Saënsの「サムソンとデリア」の上演がSt. Gallen大修道院をバックにするというユニークな場所を中心の舞台として行われました。 Camille Saint-Saënsの作品は、力と無力感、感応的な欲望と宗教的な義務の観念といったような正反対の内容で形成されていますがオペラで上演されることは稀です。「サムソンとデリア」はヘブル人とペリシテ人の宗教戦争の真っ只中、激しく揺れる愛と力を描いた作品です。舞台となった St. Gallen大修道院の男子修道院の中庭はユネスコの世界遺産に登録された場所ですが、期間中は屋外の魅惑的な劇場へと変身しました。 Saint- Saëns の作品は、ヘンデルの象徴を軸とした壮大な合唱を情熱的な旋律と複雑な振り付けが表現されています。今回この大修道院内の中庭というユニークな環境を舞台として行われたSt.Gallenフェスティバルでのフランス古典オペラを監督したStefano Vizioli氏は世界的に称賛されています。その彼とステージアーティストFerdinand Wögerbauer氏が協力の元にこの上演に挑戦しました。 St.Gallen修道院は、スイスにおいてオーケストラをステージ後方のブースに配置する数少ない場所です。そのため観客にはサウンドを100%増幅しなくてはなりません。このような環境にとって非常に重要なのは優れた音質と客席内において厳格に制御された音響が必要になるということです。この4回目を迎える野外フェスティバルのサウンドエンジニアリングと音響的知識はサウンドカンパニーのM&M Hire GmbH(Ltd.)社とHabegger AG社にd&b audiotechnikのスイスの販売パートナー2M Audio GmbH(Ltd.)のDanial Meyer氏が一丸となってクオリティに確証のあるd&b audiotechnikの製品を使用して取り組みました。野外ステージであるためステージの前方だけでなく後方に無数のスピーカーシステムが設置され、洗練された雰囲気のリアルなコンサートホールのように仕立てあげられました。 メインシステムとして片側11台のフライングされたd&b J-Seriesラインアレイはもとよりフロントフィル用に水平ポイントソースモードのT10、実際のホールにいるかのようなバーチャル空間を演出するためのサウンドエフェクト用には客席内にQが配置されています。初回のSt.Gallenフェスティバルの時には、ステージセットにC4ラウドスピーカーを統合してステージ上のアーティストの動きをディレイを用いて表現する手法を取りました。プロジェクトディレクターであるAndreas Baumann氏は次のように語ります。「d&bのリモートネットワークを使用して全てをリンクすることでシステムを簡単に操作できるため大幅な時間短縮が可能です。」St.Gallenの音響部門のトップであるFrank Sattler氏は感想を次のように語ります。「驚いたのは複雑な調整を行わないにも関わらず、システム全体の音は非常にナチュラルで優れていたことです。」