Jackson BrowneとDavid Lindley, あなたの心に喜びを。
20年以上にもおよぶサウンドエンジニアとしてのキャリアを経て、Paul Dieter氏は現在、ロックンロールのレジェンドと形容されるJackson Browne氏のミックスを担当しています。その彼はこう語ります。「80年代に現場のミックスを始めたのですが、以降15年程はスタジオでの仕事を手がけていました。当時のライブ用サウンドシステムにはうんざりしていました。しかしラインアレイが登場してからは、また現場に心惹かれるようになり、実際にとても楽しめています。」 Dieter氏が「楽しんでいる」というPAは、カリフォルニアのScubert Systems社が供給するd&b audiotechnik J-Seriesです。「これはまさに絶妙な選択です。Jacksonが生み出すロックンロールは、耳の肥えたファンに受け入れられています。だからこそ私は信念を持ってサウンドに取り組まなければならないし、マーケティングのあれこれに左右されずに、クライアントのためにベストな機材を用意しなければならないのです。その点においてJ8、J12、そしてJ-SUBの生み合わせは最高にバランスが取れています。これによってボーカルを極めて明瞭に響かせることが出来るでしょう。」 写真はTom Laveuf氏のご厚意により提供していただきました Dieter氏の元で働くシステム技術者Tom Laveuf氏は、その日その日のバランス調整を受け持っています。「このシステムは本当に扱いやすいんです。」彼はそう切り出しました。「私達は劇場やアリーナ、ライブハウスなど様々な場所でツアーを行っていますが、このシステムは場所を選ばずに対応してくれます。ArrayCalcのおかげもあり、サンフランシスコにあるThe Greekの様な180°半円形の劇場でも問題ありませんでした。このシステム唯一のEQはR1(d&bのリモートコントロールソフトウェア)上で操作します。デスクミキサーもデジタルミキサーも無いという事が、このシステムの扱いやすさを良く表していると言えます。ただ一つの課題は、サブウーファーの取り扱いでした。」 Laveuf氏はかつてフロリダでd&b製品を扱うBeachsound社に在籍しており、Schubert社に来たのは最近のことです。「とても良い経験でした。B2やJ-SUBで構成されたラインアレイを数多く扱ったので、その扱いやすさは承知済みです。しかしJ-SUBはそのカーディオイド特性から、用途を限定したアーク型サブアレイとしてステージ前方に設置することがベストだと判断しました。これによってJackson氏のマイクはローエンドに余計な影響を受けずに済みます。」 こうした扱いやすいシステムや有能なパートナーによって自由が効く環境は、Dieter氏がスタジオでの仕事を通して培ったセンスをも納得させる結果を生み出しています。Dieter氏はこう語ります。「最高のバランスとはこういう事です。Tom氏がいる事で私はサブウーファーを気にする必要は無かったのです。昨晩は私達にとって初のクローズド公演をアリーナで行うということで、少し不安がありました。しかしTom氏のセッティングによって生み出されたサウンドのクオリティーには度肝を抜かれました。d&b J-Seriesによってミックスされたサウンドは、最高のスタジオでモニターするサウンドに最も近いと言えます。」