Rock In Japan Festival 2007.
東京から約二時間程の距離にある国営ひたち海浜公園は、日本でもっとも有名な3日間のフェスティバルイベントの舞台となる場所です。 Rock In Japan Festival(以下RIJF)の成功の秘訣は、日本のアーティストだけの出演に非常にこだわっているということが挙げられます。そして、茨城県の戦時中は旧日本軍の水戸飛行場であったこののどかなロケーションであるこの地で行われていることもその成功の秘訣であると思われます。 日本の有名な音楽誌rockin' onが主催するこのフェスティバルは、初回が2000年8月に1ステージで二日間開催されて以来規模が増大し、現在は4ステージで三日間行われており、昨年は合計14,7000人を超える観客を集めました。同誌の編集長であり、このイベントのプロデューサーである渋谷陽一氏は、毎年年末に行われるこれもまた有名なCOUNTDOWN JAPANもプロデュースしています。2006年末に行われたCOUNTDOWN JAPAN06/07は、d&b audiotechnikの新しいJ-Seriesの音を日本で初めて人々が聴く機会となったイベントでした。 「我々が一番最初にこの新しいシステムを聴いたのは2006年でした。」と説明するのはMSI JAPANの代表取締役である藤井修三氏、同社は RIJF開始当初より音響を担当しています。「Eighth Day Sound社のTom Arko氏が来日した際に我々にJ-Seriesを勧めてくれました。そして社内で多くの会議や議論を行った後に導入を決定し、COUNTDOWN JAPAN06/07でデビューさせることにしました。渋谷氏もJ-Seriesの音を聴いた瞬間から高い評価をしてくれました。」 このように高い評価を持って受け入れられたJ-SeriesシステムをMSI JAPANが翌年夏に行われる渋谷氏がプロデュースするRIJFでも使用してみたいと思うことは当然であると思います。「使用された多くのエンジニアの方々は、普段当社のシステムを使用されてはいないにも関わらず、非常に簡単に良質なミックスができるとの感想を頂きました。」と藤井氏は説明します。「例え大音量時でも良いバランスは保たれたままで、ミックスバランスが崩れることが無いと言われました。そしてこのシステムの音響的な長所としてミックス内のギターやボーカルがレベルが上がった時でも的確にコントロールできるというコメントも複数ありました。」 RIJFの2ステージ、LakeとForestに使用されたJ-SeriesはMSI JAPANの上野貴博氏によってシステムのデザインと実際の設置が行われました。同氏とそのチームはJ8とJ12で構成されるシステムを両サイドにフライングし、カーディオイドサブウーファーJ-SUBをスタックしました。上野氏は2006年12月にMSI JAPANがトレーニングを目的としてd&bジャパンの代表である米倉慎一郎と彼をサポートするために来日したd&bアプリケーションサポートを加えて自主的に行ったJトレーニングにも参加していました。「上野氏はJ-Seriesが非常に柔軟性を持っていることに気づかれました。」と米倉が説明します。「LakeステージはFOH位置まで40mの距離がありますが、J8とJ12が生み出す大量なSPLによって、ピークで120 dBもの音圧レベルが計測されました。そして特に中低域の性能は極めて優れており、上野氏曰く他のシステムで同様な結果を得るためには多くのEQ調整を必要とするということでした。」 RIJFのこのイベントがMSI JAPANにとって転機となったことが証明されたことを物語るように「現在フリーランスエンジニアの方々から多くの新規発注を頂くと同時に、ブッキングも増加しています。我々にとってこの投資が大成功であったと断言できます。」と藤井氏は締めくくりました。