太陽が奏でるハーモニーの一部。
音楽によって奏でられるハーモニーと歌は、平和の真髄と言えますが、日本の演歌は正に美しくそして優雅にそれを体現しています。「それらの理由は歴史にあると言えます。」と説明するのは名古屋の近郊に位置する小牧市にある音響会社、有限会社絵夢オーディオラボの佐藤氏。「使用されている昔からある楽器、例えば琴や笛そして特に重要なのが各地域によって音質やチューニングが微妙に異なる三味線があります。観客の人々はこれらの楽器の繊細なニュアンスを聴きとることを期待しています。」 絵夢オーディオラボが最近このような演歌のイベントに音響システムを供給しました。そのステージは福井県のサンドーム福井を会場とし地元の信用金庫が顧客約7500人を招待して行った物です。「非常に大きな会場で、通常の演歌のコンサートでは余り無い規模です。客席全体にこのような繊細なニュアンスまで伝えるためには何か特別なことを行わなければいけないと感じていたところに幸運にも数ヶ月前にd&b audiotechnikのQ-Seriesシステムをオーディオブレインズの唐渡氏にデモンストレーションしてもらうことができました。システムは音楽の必要な要素を全て満たしていることは良く理解していましたがこれだけ大きな会場での経験が無いので正直少し不安はありました。」 同氏は唐渡氏に必要なシステムサイズについて相談しました。「我々はd&bジャパンのセールスパートナーです。」と語るのは唐渡氏。「私はこのような音楽ジャンルに対してQ-Seriesを選択することは間違いないことを確信していましたが、佐藤氏にとってはやはり直径116m、天井高40mもあるドーム型の会場で初めて使用するので不安はあったと思います。それも考慮した上で私は日本におけるd&bの大口ユーザーであり、且つ大規模な会場での使用経験が豊富なMSIジャパンのシステムテックである菅原拓也氏に相談しましたが、彼はこの現場で必要なカバレージとヘッドルームはQで充分であると考えていました。」その同氏の推奨によるQ1アレイの最下段にQ10をダウンフィルとして設置するメインアレイをステレオで設定し、別なQ7をアウトフィルに設置して更にQ-SUBを片側4台設置するシステムで使用されました。「このようなジャンルの音楽では更なる低域の拡張は必要ではありません。」と菅原氏。「もちろん130 Hz以下の周波数帯域も再生しますが、これ以上強力である必要はありません。」 唐渡氏はその結果に喜びながら語ります。「菅原氏がチェックCDを再生した時に直ぐに完ぺきであると感じました。出演された石川さゆりさんのオペレーターである東京音響通信研究所の今井 剛氏も同じ感想で非常に驚かれていました。80m離れた地点で聴いても非常に綺麗に詳細まで聴こえていました。」菅原氏は調整で1ポイントのみ0.5dB下げただけでD12内のEQは何もしなかったそうです。「予想以上にエリアカバーが出来ていたためダウンフィルのQ10はミュートして使用しないことにしました。」と絵夢オーディオラボの佐藤氏。
「当社ではこのイベントの音響を過去数年間毎年行っていますがこれほど良い音は初めてです。以前の古いシステムと比べると21世紀の音になったという感じがするほどの違いがありました。同様にステージで演奏された方や歌われた方からもやり易かったという感想を頂きました。当社にとってQシステムを導入したことは音質向上だけではなく良い仕事を以前の機材量より少ない機材で行えるため現場に掛ける人数も減数できるという2倍の効果を得ることができました。」 「小は大を兼ねる」というコピーは過去に何度も使用してきましたが、日本の演歌をこよなく愛する人々にとってはその音楽性の中で極めて重要なことです。この日のイベントは繊細さと優雅な空間によって満たされた音楽的芸術のようであり、会場の形状の含めて考えるとまるで音楽と歌が太陽から放たれた蜘蛛の糸のように全体を包み込んでいるかのようでした。