d&bのV-SeriesをRAH 2012のTCTに
「d&b audiotechnikが発売した他のラウドスピーカーと同様、新V-Seriesもパンフレットに書かれているとおりのパフォーマンスを収めてくれた。」これは、伝説的となったRoger DaltreyのTeenage Cancer Trust (TCT) がRoyal Albert Hallで行なったコンサートで再び成功を遂げたことを受けて述べたDick Hayes氏(Entec社音響部長)の言葉です。「Entec Sound and LightがTCTをカバーするようになってから12年が経つ。我々は数年毎にd&bラウドスピーカー新製品を疑いの心を知らない英国の観客に紹介しているが、毎回がっかりさせられたことはない。」
Entecでシステムエンジニアを務めるLiam Halpinは、V-Seriesを既存のJ-Seriesメインシステムに統合するメリットにすぐ気付きました。「我々はJ-Seriesをここで数年間使用してきた。そして大半のユーザーと同様、側面とリアのカバレージ用としてQ-Seriesを使用してきた。スローディスタンスは短くかつ幅広いが、QはJに完璧にマッチしているとはいえない。セットアップに時間をとれば、2種類のキャビネットの領域間を行き来することでほぼシームレスなトランジションが可能となる。V-Seriesは、Jとそのパフォーマンスを完璧にしてくれる製品だ。」
V-Seriesは、J-Seriesの桁外れのパワーと帯幅に対応するためにd&bが設計した製品ですが、サイドとフィルにおける要求に適したキャビネットはより小さくなっています。より大きい姉妹製品と同じ水平指向特性を実現したV-Seriesは、単独システムとしても使用でき、V8、V12、V-SUBを組み合わせると劇場やより小さな会場で理想的なパフォーマンスを発揮します。ドライバー配置を適合させれば、J-Seriesと同質のサウンドも得ることができます。Halpin氏は、「ほとんど手間をかけることなく、全くシームレスなトランジションが達成された。それだけでも時間の節約になる」と納得しています。
Dick Hayes氏も、V-Seriesで実現する時間節約について、「Albert Hallでの観衆配列は普通ではないことは知っている。Liamは後方の聴衆にも前方の聴衆と同じサウンドを提供できるよう綿密にシステム設計を行なった。これまでは、両サイドに9個のQ1を横向きに吊るし、特に高い座席をカバーするためにC4を高く吊り下げるという方法で対応していた。しかし今年は、14個のJ8をメインとして吊り、たった6個のV8をサイドに吊るし、トップにワイド角のV12を2個設置するだけで対応できた。C4は全く不要となった。これによって、リギングとその他の時間を節約することができた。Jessie Jのハウスエンジニア代表であるSimon Thomas氏も演奏後私のところに来て、このシステムのサウンドを絶賛してくれた」と述べています。
Thomas氏だけではありません。「フローレンス・アンド・ザ・マシーン」でミキシングを担当するラッキーな男、Ian LaughtonもTCTが開催した7日間にわたるショーを4月3日木曜日、無事終了させました。「今回、ツアーとは非常に異なる音楽ショーを提供した。2個のドラムキットを処分し、ハープ、ピアノ、弦楽器、管楽器、木管楽器で構成される総勢30人のオーケストラ、コーラス、そしてフローレンスがいるだけだった。それまで音楽祭ではJ-Seriesを使ってきたから、そのサウンドもよく知っているし気に入っている。だから午後、音楽家たちがリハーサルしている間、その空間を歩き回った。その中、空中、特に後方にはあまり機器が吊られていないが、どこでも非常に美しいサウンド環境となっていることにすぐ気付いた。そしてLiamも言っているとおり、トランジションが非常にシームレスで、スムーズだと感じた。この夜のコンサートは大成功で、我々自身も本当にエンジョイすることができた。」